出産予定日
起床。朝 6:00。
快晴。春間近、空気も暖かいですし出産日和ですな!
今日は、うちの双子ちゃんが誕生する出産予定日なのです。計画出産のため、奥様は前日から入院してすでに病院でスタンバイ状態!
こちらも、前日に上京してホテルに泊まっている私の両親を車でピックアップして、【7:00】に病院入り。うふふ、ちょっと早かったですかね。うちの奥様は大部屋から、LDR(Labor Delivery Recovery【陣痛分娩室】)に移動したってことで、直接LDRに向かいます。
おぉ!!ここのLDRは、窓もあって明るいし、ヒーリング音楽も流れていてリラックスできる空間のようです。いいっすねー。でもでも、奥様は、もうすでに若干苦しそうです。陣痛促進剤とバルーン挿入で気持ち悪いとのこと。
あぁ先生の言っていた例のバルーンですね、どうやら風船のようなもので、膨らませて子宮口を広げるアイテムだった様です…あぁ想像したら、下腹部が痛くなってきました。
また、背中には、無痛分娩用の麻酔ラインのカテーテルを入れているのであまり動けないらしいです。この麻酔ラインは、いざという時には、帝王切開の麻酔投入に切り替えることもできる優れものらしいです!すごいよ!
って感じで、いろいろ看護師さんに聞いてたら…
「ごちゃごちゃうるさい!こっちは痛いんじゃー。足揉め、さすれー。」
と奥さんに怒られました!すんませんっ・・・
残念ながら、この出産に伴う痛みは男性にはわからないのですよね。いやもう、大変そうなことだけは重々わかるんです。当事者意識もあるんですよ、こう見えて。スイカを鼻に入れるとか、ぎっくり腰の状態で腰を殴られるとか・・。でもね、同じ痛みを味合わないと軽々しく「気持ちはわかるよ!」なんて言えないと思うんですよねー
えっ?!「それじゃ味わってもらおうか。」とか物騒なことを小声で言うのやめてください!
ほら私、足骨折したままスノーモービルで山頂から下山したり、麻酔が効かない奥歯を歯医者で削られて、エビ跳ねしたことぐらいしか痛いの経験ないですから!
コホン。さて、看護師さんによると、
「子宮口もまだそれほど開いていないので、しばらくは陣痛・お産共にゆっくり進むと思います。昼ぐらいまでは様子見でしょうね~」
とのこと。私と両親は一旦休憩室に撤退です。
休憩室では、別のLDRで出産予定の妊婦さんのご両親とお会いしました。低体重での出産となりそうとのことで、出産後のことも含めていろいろと心配されていました。出産後は、GCU(Growing Care Unit【回復治療室】)に入る予定なのだとか。なるほど、私たちもですが、この国立病院にたどり着いているということはそれなりに何かしら背負っている妊婦さんが多いってことですね・・・。そちらも無事に生まれますように。
自分が当事者になるまで、出産なんてポンとできて、ポポーーンと出すんでしょ?と思っていた自分が恥ずかしい…。自分が当事者になって、やっと理解しました。何にも知らなかったんだな~。と。
ちなみに、この出産後に、ドラマのコウノドリを見ることになるのですが、これでもう一撃衝撃を覚えることになります。出産は身近にある奇跡なんですね。
そして、進まないお産
お昼。13時を過ぎても、子宮口はまだ4㎝程度とのこと。全開だと10㎝ぐらいまで広がるそうなのでまだまだらしいです。ずっと付き添っていても痛みで苦しいし、何より旦那が邪魔。という理由で、一時間ごとに15分ぐらい付き添っていますが、陣痛自体は一定間隔で訪れているようです。
まだ麻酔ボタンは押していないので、無痛分娩とはなっていないものの、苦しいのは苦しいらしく定期的に「ん~~~~っ!」って唸ってます。もうちょいだぜ。がんばれよー。
そうこうしていると14時ぐらいに、先生が入ってきました。
先生「まだ子宮口は開ききっていませんね、このままじゃお産進まないだろうな・・・そうですね、破水させてお産進むか様子見てみましょう。」
へっ?
破水させる。ってどういうこと?
後で聞いたら、うちの奥様も最初は「へーそうなんだ。」って感じだったらしいです。
素人考えだと、破水させていいの?と思いましたが、「人工破膜」というもので、破水させると赤ちゃんの頭が下がり陣痛が促進され、お産がすすむことがあるのだそうです。もちろん、計画出産中で、医療設備もそろった状態のため破水もさせることができるんです。
ちなみに、通常は破水してしまうと出産へのカウントダウンが始まります。流れ出る羊水の量によっても差異があるようですが「24~72時間以内」に出産に至らなければ赤ちゃんの命が危ないのだそうです。そして、一度破水してしまったら基本的には後ろには戻れません。
また、破水した後は、赤ちゃんを守っていた膜に穴が開くってことなので、外界とつながり、細菌等の感染症との闘いともなります。臨月の妊婦さんが、破水した時シャワーを浴びたり、お風呂に入ったりするのは【NG】と言われるのはそういうことですね。もし自宅などで破水した場合は落ち着いてかかり付け医に連絡して、指示を仰いですぐに病院に向かうのがよいです。濡れているのが気になるのであれば、タオルで拭く程度で大丈夫です。お風呂入っちゃダメ。
一人の場合は、必ずタクシーを呼ぶようにしましょう。運転に自信があっても自分で運転するなんてダメですよ。陣痛が伴ったりすると、冷静な判断もできないですし、事故でも起こしてしまえば、あなただけではなくお腹の赤ちゃんも危険にさらすことになります。
チャイルドシートの説明でもしますが、身を守るはずのエアバックでさえ凶器になってしまう場合もあるので気を付けてください。旦那さんが運転する車で移動することになった場合も、シートベルトを締めるかどうかは状態によっても判断が迷われるところですが、締めれるようであれば圧迫する場所を確認しながら締めておいたほうが良いです。
また、シートベルトを締めれないのであれば、助手席よりも後部座席で。自分たちの車は事故らなくても、追突されてエアバックが作動したなんてことになれば、本当に危険なことになります。
強い陣痛や、破水したとき、自分の周りに必ず誰か人がいるとも限らないので、事前にタクシー会社の電話番号などを控えておきましょう。また、呼ぶときに破水して産婦人科に行くということを話しておくと、タクシー側も準備をしてくれる場合もあるようですよ。
すっごく痛いよ!人為破水。
さて、破水をした(させられた)うちの奥様ですが、破水後すぐに、「いだだだだだっ!ぎゃーっ!」ってなりました。破水の手順は、いたって簡単です!
手を入れる。 → 膜触る。 → パーン。はい破水。
みたいな(笑)。で、破水したら痛みのレベルが2段階ほど上がったそうです。「こりゃだめだ~~~」ということで、やっと麻酔ボタンを押しました奥様。ついに観念しましたか!
普段痛みとか、痛くてもぎギリギリまで耐えきるウチの奥様ですが、ついに耐えきれなくなったようです。相当痛いんだね…ええ。麻酔を使えばええのよ。まぁ、麻酔使ったとしても、完全無痛ではなく50%~70%減ってことらしいですが。
さて、時間は15時を超えました。今朝7:00前から8時間以上陣痛と格闘している奥様ですが、実は破水したこの後が本番でした。
続きは、長い長い誕生日。後編へ